コーヒーの基礎知識

農産物としてのコーヒーが、一杯のコーヒーになるまで

コーヒーとは?

コーヒーとは、コーヒーの木から採れる果実の種子が原料の飲み物です。コーヒーの木はアカネ科の常緑樹で、果実は「コーヒーチェリー」と呼ばれ、未熟な状態の緑色から成熟すると真っ赤に染まり、赤紫色の完熟になるまで成熟度合いによって様々な色に変化します。コーヒーチェリーには種子が2つ含まれており、その2つの種子が一杯のコーヒーの原料になります。収穫し、精製した「生豆(きまめ)」と呼ばれる生の状態の豆に熱を加える焙煎という工程を経て、細かく挽いた粉から抽出することによって作られることが一般的です。その味や香りは、コーヒー豆の品種、精製プロセス、焙煎の方法や加減、そして抽出の調整など様々な要因によって大きく変わり、世界中で愛されている飲み物の一つです。

コーヒー豆には、アラビカ種、ロブスタ種という2つの主要な種類があります。アラビカ種は一般的に高品質とされ複雑な風味を持っています。一方、ロブスタ種は強い味わいが特徴で、多くの場合、混合用としてや缶コーヒーなどに使用されます。
世界中の農家で生産されるコーヒー豆は、近年の輸送技術の発展によって気軽に、そしてとても新鮮な状態で流通できるようになりました。
また、焙煎技術の発展とともに大量生産が可能になり、職人による卓越した技術によって極めて高品質な味や香りを引き出すことを追求することも魅力の一つです。収穫し、精製された生豆を高温で加熱する焙煎工程では、高度な調整が行われ、短時間で仕上げる浅い焙煎ではフルーティやフローラルな香りと酸質が特徴的に、更に火入れを行う深い焙煎ではカラメル感が増し、オイリーな質感と苦味の成分が増加する特徴があります。

焙煎後の豆を細かく挽き粉にしたものに、湯、又は水などを用いて抽出します。その方法は様々で、代表的なものには、ドリップエスプレッソフレンチプレスサイフォン、と呼ばれるものなどがあります。多種多様、様々なその他の抽出方法もありますが、各方法によってコーヒーの味や香りの印象が大きく変わるため、自分好みの抽出方法を探すのも楽しみの一つになり得ます。

代表的な抽出方法とその特徴

近年は、スペシャリティコーヒーと呼ばれる、品質や味わいを共有するため国際的な基準で得点化し、非常に高品質なコーヒーを求める考え方が注目されるようになりました。スペシャリティコーヒーは、特定の品種、産地、焙煎などにこだわり、豆の品質や抽出の技術を追求したもので、高い味わいと香りが世界共通基準の点数で管理されています。また、産地や精製方法、流通経路まで明確にされていることも特徴と言えます。一般的なコーヒーに比べて流通量が低いため高価格なものが多いですが、その味わいに魅了されるコーヒーファンも世界中で増えています。

起源

世界中で広く親しまれ、多くの人にとって日常生活に欠かせないものとなっているコーヒー。その歴史は非常に古く、起源とされる説は複数存在しています。アフリカのエチオピアが発祥地とする説が最も有力ですが、その歴史は人類が農耕文化を始めた頃からとされています。

エチオピア説

最も有名な説の一つ、アフリカ大陸のエチオピアに由来するものです。伝説によれば、9世紀にエチオピア南部、カッファ地方の羊飼いが、羊がコーヒーの木の実を食べた後に元気になることを発見し、それをきっかけとし、コーヒーが発見されたとされます。

そしてコーヒーはアラビア半島に広がり、14世紀にはイスラム教徒の礼拝の一つ、宗教上の飲み物として飲まれるようになりました。そして16世紀にはオスマン帝国の支配下にあったイスタンブールで、最初のコーヒーハウスが開かれたとされています。

その後コーヒーは世界中に広まり、様々な文化に取り入れられていきました。特にヨーロッパ地方では17世紀から18世紀にかけてコーヒーが大流行し、多くのコーヒーハウスがオープンします。

イエメン説

コーヒーはイエメンで発見されたという説もあります。

この説によれば15世紀頃、イエメン南部のクラブ地方でコーヒーが栽培されていたとされます。当時コーヒーは「カッワ」と呼ばれ、イスラム教の信仰に関連し、神聖な飲み物として扱われていました。イスラム教では、信仰の象徴として「ハッジ」という巡礼があり、毎年サウジアラビアのメッカに向かうことが定められています。当時、長い旅を経てメッカにたどり着いた巡礼者たちは、コーヒーを飲んで疲れを癒したとされ、そのためコーヒーは巡礼者たちにとって重要な飲み物の一つであったとされています。

この説が有力視される理由は、史料に残る最も古いコーヒーの言及がイエメンであることです。実際イスラム教の法学者であるイブン・バットゥータは、14世紀にイエメンを訪れた際、コーヒーについて言及しています。そして16世紀にはイエメンからエジプト、トルコ、そしてイタリアに伝わり、ヨーロッパ全域に広まっていったとされています。

「カルディ」の伝説

エチオピア説とイエメン説、どちらにも共通して「カルディの伝説」という有名な伝説があります。カルディとは羊飼いのことで、彼が偶然にもコーヒーを発見したとされている古くからの言い伝えが残っています。

伝説によれば、ある日カルディが羊を放牧していると、いつもよりも元気に飛び跳ねる羊を見かけます。その羊が食べていたのがコーヒーの木の実だったのです。

カルディはその実を自分でも食べてみたところ、体が軽くなり精神が明るくなったと感じました。そしてその実を仲間たちにも振る舞ったところ、彼らも同じように元気になったということです。

この伝説と一緒にコーヒーはエチオピアのみならず、世界中に広がっていきました。そして現在では多くの人々の日常生活において、欠かせない飲み物の一つとなっています。

数ある起源について有力な説の一部ではありますが、実際にはどうだったのだろう。と、思いを巡らせるのもコーヒーの魅力の一つです。

スーダン説

また別の説によれば、コーヒーは14世紀頃にスーダンで発見、ホーンという地域でコーヒーが栽培されていたとされます。コーヒーは当時のスーダンで生活する人々の戦いや仕事の前に、飲むエネルギー源として非常に重要な役割を果たしていたのかも知れません。この地域はエチオピアやイエメンと隣接していて、地理的にもコーヒーの起源地として近しいと考えられます。

スーダンのニャラ川流域で、14世紀のものと思われるコーヒー豆の痕跡が発見されたことがあります。これらの痕跡は、当時のスーダンでコーヒーが栽培され、飲まれていたことを示す重要な考古学的証拠ではありますが、このスーダン起源説はエチオピアやイエメンの起源説よりも史料が非常に限られており、確固たる証拠もないため有力な説ではありません。そのほか別の説もあります。
どの説においても、コーヒーは古代からアフリカの地で栽培され、飲まれていたことがわかります。

歴史

港町モカ

イエメン、西海岸に位置するアデン湾の北端にあるモカ港。モカ港は交易都市として栄えました。中東地域から中国やインドへの交易路上に位置しており、古くから船の往来が盛んでした。9世紀にはモカ港から東南アジアやアフリカに向けて、香料や香辛料、絹などが輸出されていました。

15世紀には、アラビア半島のイエメン地方でコーヒーが栽培されるようになり、当初は薬品や宗教上の神聖な飲み物として使用されていました。コーヒーは徐々に広まり、イスラム教徒の文化の一部にもなっていきます。モカ港はこの時代から「コーヒーの出荷港」として、世界中に名を知られるようになります。

16世紀には、ヨーロッパ諸国がアフリカやアジアを探検するようになり、コーヒーの木が発見されます。当初は高価な薬品として扱われていましたが、ヨーロッパでも徐々に広まり、飲まれるようになっていきます。

当時、コーヒーの生産地からの輸出には、交通事情の面で多大な困難がありました。船便が発達する前は馬やラクダ、人力輸送に頼ることが多く、荷物が運びづらい山岳地帯や荒涼とした砂漠地帯を越えて運ばなければいけません。しかしモカ港は、その立地の良さでアラビア半島からコーヒー豆を船で運び出すことができ、ヨーロッパ市場への出荷をスムーズに行うことが出来ました。

コーヒーは、モカ港からの輸出によってヨーロッパにおける需要が高まり、コーヒー産業はますます発展していきます。しかしモカ港を含むアラビア半島のコーヒー産業は、長い間その特殊な生産条件と政治的な混乱の影響によって衰退を続けてしまいます。そのためヨーロッパや南アメリカのコーヒー生産国によって品質や味わいを向上させるための研究が進められ、現在のような多種多様な品種や加工方法が開発されていきます。

産業の発展に大きな影響を与えたモカ港とコーヒーの関係は長い歴史を持ち、現在でもイエメンのコーヒー産業の中心地の一つであり、高品質なコーヒーが出荷されています。モカコーヒーとは、このモカ港から輸出されていることに由来しています。深みのある味わいとコクが特徴で、コーヒー愛好家の間で人気があります。

東インド会社

インド会社」とは、アジア地域におけるスパイス貿易に関する独占権を巡る争いがきっかけで始まった、貿易を目的とする特権が与えられた会社組織です。1600年にイギリス東インド会社が誕生し、1602年にオランダ東インド会社、1625年にはフランス…と、続いていきますが、それぞれに競合していました。その中でもオランダ東インド会社は特に成功を収めます。当時アジアの地域はコーヒーの生産地が多く、オランダは東インド諸島でのコーヒーの栽培を進め、アムステルダムを中心に取引を行っており、コーヒーの貿易にとって非常に重要な役割を果たします。

組織

商業的な利益を追求するために設立されたため、組織は商人たちによって運営されました。各国の東インド会社は国王や政府と密接な関係を持ち、政府から特権的な地位を与えられることが多く、また、会員制であり、株式会社の先駆けともいえる形態をとっています。商人たちは、株式を購入して会社に出資し、出資額に応じて利益を分配される仕組みでした。現地の統治者や商人たちとの交渉や、時には戦闘を行い、貿易拠点を確保し、現地の貴族や官僚とも密接な関係を持っていました。時には彼らを買収して自社の利益を守ることまでありました。

活動

アジアから輸入したスパイスや綿布、茶、コーヒーなどの商品をヨーロッパ諸国に輸出しました。特にスパイスは非常に高価で、その独占的な地位を確立したオランダ東インド会社は膨大な利益を得ることができています。また東インド会社はアジアでの貿易に加えて、アフリカや南アメリカなどの新大陸でも貿易を行い、アトランティック・トライアングルと呼ばれる貿易圏を形成します。アジアに進出するために商船を建造し、商船団を編成して航海を行いました。しかし当時の航海技術は未発達であり、船が沈没したり、航路を誤ったりして失敗に終わった例も多かったようです。それでも各国の東インド会社は貿易によって大きな利益を得ることができました。

影響力

東インド会社は、17世紀から18世紀にかけてヨーロッパの経済を牽引する存在となっていきます。彼らがアジアから輸入した商品は、欧州の市場を支配し、高い利益をもたらします。また、アジアの国々にも大きな影響を与えますが、彼らはアジアの商品をヨーロッパに輸出することによって、アジアの経済にも大きな変革をもたらし、貿易では、関わる国々の文化や政治にも影響を与えます。歴史上それは、植民地主義の始まりとも言えます。

東インド会社はアジアにおいて経済的な利益を追求するために、現地の統治者や商人たちとの交渉や戦闘を行い、貿易拠点を確保しました。その後彼らは植民地を建設し、アジアの領土を支配することになっていきます。東インド会社の支配下にあった植民地では、アジアの文化や経済はヨーロッパの文化や経済に置き換わり、植民地主義の悲惨な歴史が始まることにもなります。なぜなら、東インド会社の政治的な影響力の力が大きかっためです。彼らはアジア各地での貿易に関わることによって、現地の政治にも影響を与え、自社の利益を守るために現地の政治に介入することも、さらには政治を独占することもありました。アジアの国々は彼らに対抗するために様々な手段を取りましたが、中国の清朝は、アヘン戦争によってイギリス軍に不平等条約を結ばされ、日本には黒船が現れ、幕末の開国によって世界の国々の自由な貿易が始まります。

終焉

18世紀後半から19世紀、ヨーロッパの経済情勢が変化するにつれて徐々に衰退していき、ナポレオン戦争アメリカ独立戦争によって、東インド会社は多くの財政的な損失を被りました。また19世紀に入るとヨーロッパの他の国々もアジアに進出し、東インド会社の独占的な地位を脅かすようになります。さらにイギリス政府が直接アジアでの貿易に関与するようになったために、東インド会社は次第にその存在感を失っていきます。そして1858年には、インドの反乱(セポイの乱)が起こり、東インド会社の権威は一層低下していきます。その後1874年に東インド会社は解散され、その権限はイギリス政府に移管されています。

日本への伝来

日本におけるコーヒーの最初の記録は、17世紀後半に「オランダ商館」が長崎で貿易を行った頃にさかのぼります。当時、オランダ商人たちは世界中からさまざまな品物を持ち込み、その中にコーヒーも含まれていました。最初のコーヒーは医療用途に使用されることが主で、その効能が蘭学者たちによって広められます。

 オランダ商館
17世紀後半オランダ商館が長崎で貿易を行い、コーヒーが持ち込まれる。
18世紀蘭学の影響で一部の知識人によってコーヒーが広まる。
19世紀文化的な庶民によってもコーヒーが楽しまれる。
19世紀末大手チェーン店が東京などで営業されるようになる。
20世紀初頭高品質なコーヒーの人気が広がり始める。

蘭学とともに広がる知識

18世紀に入ると、蘭学の影響が日本に広まりました。蘭学はオランダの文化や知識を学ぶもので、その中にコーヒーに関する情報も含まれていました。この時期、蘭学者たちがコーヒーに関する知識を伝え、一部の知識人たちによってコーヒーが飲まれ始めましたが、まだ一般的な飲み物として広まることはありませんでした。

蘭学から文化人へ

19世紀に入ると、蘭学の影響がさらに広まり、一部の文化人たちによってコーヒーが楽しまれるようになりました。彼らはコーヒーを贅沢な文化の一環として楽しむようになり、コーヒーを飲むことは知識とステータスの象徴とされていました。しかし多くの場合、まだ外国人の間でのみ飲まれている状況でした。

外国人のカフェが登場

19世紀末になると、外国人のカフェが東京などの都市で営業されるようになりました。これによって、一般の日本人たちもコーヒーに触れる機会が増え、外国人のカフェは、日本人にとっては異国の雰囲気を楽しむ場でもありました。

コーヒーの普及

20世紀初頭になると、輸入コーヒーの人気が徐々に広がり始め、特に第二次世界大戦後のアメリカ文化の影響を受けてコーヒーは徐々に一般的な飲み物となっていきました。戦後、カフェや喫茶店が次々に登場し、多くの人々がコーヒーを楽しむようになりました。

 日本のコーヒー文化

現代の日本では、コーヒーは一般的な飲み物として広く受け入れられています。多くのカフェやコーヒーチェーンが存在し、さまざまなコーヒーの種類やスタイルが楽しめるようになり、高品質なものを求める層も広がりました。日本人の生活において欠かせない一部となったコーヒーは、その長い歴史を経て、新たなカルチャーとして根付いています。

日本におけるコーヒーの歴史は、オランダ商館の長崎での貿易から始まり、蘭学の影響や外国人のカフェの登場を経て、現代に至るまでの歩みをたどってきました。今や日本のカフェ文化は多種多様で、人々の生活に深く組み込まれています。これからもコーヒーは単なる飲み物以上のものとして、日本の文化と歴史に欠かせない一部となっていくことでしょう。

文化と産業

アラビア半島に広がったコーヒーはイスラム教徒の世界に広がり、政治や文化の中心となりました。16世紀には、コーヒーハウスという現在のカフェの前身となる文化的な交流の場が登場しています。18世紀にはアメリカにも伝わり、それ以降アメリカのコーヒー産業が発展します。現在でもコーヒーの需要は年々増加しており、コーヒーは世界で最も取引される農産物の一つです。コーヒーショップやコーヒーブランドなどが世界中にあり、人々の生活に欠かせないものとなりました。多くの人が毎日の生活でコーヒーを楽しみますが、特に中国やインドなどの新興市場での需要が増加する見込みがあり、今後もコーヒーの需要はますます高まっていくでしょう。しかし一方で、コーヒーの生産には気候変動の影響が大きく、生産量の低下や品質の低下などの問題が起こる恐れもあります。そのため、持続可能なコーヒーの生産が求められ、多くの農家や生産者が持続可能な農業、地球環境と共存するコーヒーの生産を目指しています。より品質の高いコーヒーを生産するためには、農家や生産者との協力が不可欠です。多くのコーヒーブランドは、自社のコーヒー豆を生産している農家との長期的な関係を築き、品質の向上と生産量の安定化を目指したフェアトレードコーヒーという取り組みも広ました。これは、農家や生産者が公正な価格でコーヒーを販売できるよう支援する取り組みであり、コーヒー産業における社会的責任を果たすことを目指している取り組みではありますが、まだまだ未成熟な側面も課題となっています。

近年ではテクノロジーの進歩により、コーヒーの生産や品質管理、販売においても大きな進歩が期待されます。例えば、コーヒーロボットやAIを活用した品質管理システムなど、様々な技術も開発されています。最新のテクノロジーの活用次第では、より品質の高いコーヒーを生産し、環境にも配慮した社会的責任を果たすことも可能になるのでしょうか。

栽培から収穫まで

コーヒーの木を栽培する土壌には肥沃で排水の良い土が必要です。また、温暖な気候を好み、日当たりも重要になります。品質の良い種子を選びますが、選定基準として大きさや形状、病気に対する抵抗力などが挙げられます。種子を植えつけ十分な水やりを行い、発芽後、苗を定植します。苗木が成長するにつれ肥料を施し、栄養を与え、適切な高さで木の形を整える「枝打ち」を行います。野生のまま放置しておくと10m程に成長しますが、農園のほとんどでは収穫しやすいように枝打ち、剪定されます。3~4年で花を咲かせ、花から実へと成長し、熟すまでに8~9ヶ月を要します。実が赤く熟すと収穫の時期です。実を守るため病害虫の管理が必要で、代表的な病害虫はハダニやアザミウマがあります。実が完全に熟したら手摘み、もしくは機械で実を収穫し、収穫した実は乾燥させ水分を抜く乾燥の工程に移ります。乾燥には日光乾燥や機械で乾燥させる方法があり、乾燥した実から種子である豆を取り出し薄皮を取り除くと、生豆と呼ばれる輸出可能な状態になります。

品種

珈琲の品種は主にアラビカ種とロブスタ種の2つに分類されます。

起源とされる説がある2つの地域、アフリカ地方では主にアラビカ種が、アラビア半島では主にロブスタ種の栽培が始まりました。アラビカ種は高品質で複雑な風味がありコーヒーの中でも高級品とされています。エチオピアやケニア、タンザニアなどのアフリカ諸国で生産され、高地での栽培に適しており、海抜1,200メートル以上の高い標高で育てることが望ましいとされています。さらにアラビカ種にも多様な種があり、代表的なものとしては、エチオピア南部のカッファ地方で発見された花の香りが強くフルーティーな風味が特徴の原種であるエチオピア種、交配によって生まれたブルボン種、フローラルで洗練された風味が特徴のゲイシャ種、ブラジルで生まれたカツゥラ種などなどにはじまり、現代では品種の改良により一層多様化が進んでいます。

アラビア半島から始まり今では世界中で広く栽培されているロブスタ種ですが、アラビカ種より苦味が強く濃厚な味わいが特徴です。アラビア半島、サウジアラビアやイエメンなどの国で生産されています。品種改良が発展し低地での栽培にも適しており、海抜800メートル以下の標高で育てることが望ましいとされロブスタ種にも様々な品種があります。苦味が強くクリアな酸味が特徴のカトゥアイ種、エチオピアで発見された品種で、エキゾチックな風味で酸味が高くフルーティーな香りがあるティプトップ種、ロブスタ種とアラビカ種の交配によってインドネシアで生まれたマラゴジペ種は、濃厚でスパイシーな風味が特徴で、インドネシアコーヒーの代表的な品種として知られています。

珈琲の品種は、交配によって耐病性の高い品種を作るために、病気に強い品種と病気に弱い品種を交配したり、風味を改良するために、風味が優れた2つの品種を交配することもあります。交配によって生まれた新しい品種にはエルサルバドルで生まれた、パカス種とマラゴジペ種の交配、パカマラ種。フルーティーな風味が特徴で、高品質な珈琲として知られています。芳醇な風味が特徴で、ハイブリッド珈琲の代表的な品種として知られているティピカ種はアラビカ種とボンベイ種の交配によって生まれ、世界中で栽培されています。

品種によっ栽培の条件や風味が異なるため、生産地域や品種名が表示された珈琲豆を選ぶことで、自分好みの珈琲を楽しむことができます珈琲の味わいを決定する要因には、品種以外にも、栽培地の気候や標高、収穫時期や加工方法、焙煎方法など、それぞれの要因が珈琲の味わいにどのような影響を与えるかを理解し、自分好みの珈琲を探求するのも、珈琲愛好家ならではの楽しみ方になります。

精製

その豊かな香りや味わいで、世界中多くの人々に愛され欠かせないものとなっている飲み物のコーヒーですが、種から豆が収穫された時点ではまだ飲み物としてのコーヒーには程遠く、多くの工程を経て精製される必要があります。

精製方法には多様な種類があり、それぞれ異なる特徴や味わいを持っています。以下は代表的な精製方法になります。

Washed

ウォッシュドプロセスと呼ばれるこの精製方法は、生産過程で実を取り出した後、果肉や皮、粘液質などを洗浄してから乾燥させる方法です。この方法は珈琲豆の味と香りを洗練させ、酸味が引き立つすっきりとした味わいになります。

以下のような過程で生産されます。

  1. Picking:ピッキング
    実が完熟した珈琲の実を手で収穫
  2. Pulping:パルピング
    実を割り、実から種子(珈琲豆)を取り出す。
  3. Fermentation:ファーメンテーション
    種子に付着している果肉を除去するために、水や発酵剤を加えて発酵
  4. Washing:ウォッシング
    発酵した種子を水で洗い流し、果肉や粘液質を取り除く
  5. Drying:ドライ
    水を切った種子を陰干しまたは機械で乾燥
  6. Milling:ミリング
    乾燥した珈琲豆から薄皮を剥き、最終的な製品に加工

Natural

ナチュラルプロセスでは、実を摘み取り洗浄せずに乾燥させる方法です。この方法は豊かで甘い味わいが特徴であり、酸味は少なくなります。乾燥する過程で実に含まれる天然の糖分が豊富になり、豊かな風味となるのです。

ナチュラルプロセスは以下の行程です。

  1. Picking:ピッキング実が完熟した珈琲の実を手で収穫
  2. Drying:ドライ果実を完全に洗浄することなく、果実を陰干しまたは機械で乾燥※完全に乾燥するまで、何週間もかかる場合もある
  3. Milling:ミリング乾燥した珈琲豆から薄皮を剥き、最終的な製品に加工

ナチュラル精製の場合、果肉に含まれる糖分や酵母などが豊富に珈琲豆に含まれるため、発酵が生じテロワールのある豊かな風味となります。この方法で生産された珈琲豆は果実由来の豊かな味わいが特徴であり、そのために風味が強く、酸味が少なく、甘味が強く感じられます。自然な乾燥方法のため、乾燥した果肉が豆に付着することがあり豆の品質が劣化するリスクもあります。

ウォッシュド製法では酸味が強くなりやすく、カフェインの含有量にも影響があるため明るくスッキリした味わいが特徴です。一方、ナチュラル製法は、テロワールが強く残りやすく、甘味が豊富で風味が強く、酸味が少なくコクがある傾向にあります。このようにコーヒーの生産方法によって豆の味わいや特徴が異なるため、自分の好みに合わせて選択することも魅力の一つです。

Sumatran

コーヒーの栽培方法の一つ、インドネシアのスマトラ島で開発された方法が「スマトラ式」です。この栽培方法は、品質の高いコーヒーを生産するために多くの手作業が必要で、樹上で完全に熟したコーヒーチェリーを手摘みで収穫します。

機械的に収穫する方法よりも手間がかかりますが、品質の高いコーヒーを生産するためには必要な作業です。また、スマトラ式のコーヒー農家は、通常化学肥料や農薬を使用せず、天然の有機物を肥料として使用することが一般的です。

収穫されたコーヒーチェリーは、日光に当てて天日乾燥するか、乾燥室で乾燥させます。この段階で、果肉が乾燥して縮み、豆を包む薄皮が乾燥して剥がれます。この方法により、豆に褐色の膜が残り、スマトラ式のコーヒー特有の風味を生み出します。深い焙煎が行われることが多く、そうすると豆は油脂分が多く、酸味が少なく、苦味と甘みが強くなります。フレンチローストやイタリアンローストなどの深い焙煎です。チョコレートやトフィーなどの甘い風味と、タバコや土壌などの地味な風味が混ざり合い、酸味は少なく口当たりがクリーミーで、豊かなボディ感があります。

インドネシアの中でもコーヒー生産が盛んな地域の一つで、スマトラ種と呼ばれる品種を中心に栽培され、耐病性が高くコーヒーツリーが育ちやすい環境に適応しているため、スマトラ島で生産されるコーヒーの品質は非常に高いと言われています。パルプ式処理機で処理されることが一般的で、乾燥するために太陽光で干されます。この際、豆が乾燥しすぎないように一定の湿度を保つように気を配りながら乾燥させます。自然豊かな環境で、天然の有機物を肥料として栽培され、農薬や化学肥料を使用しないため自然に近い状態で育つことができます。さらに、半日陰で育てられるため、コーヒーツリーが日差しを避けて育つことができ、豆がより深い味わいを持つようになります。

Honey process

ハニープロセスという名称のこのプロセスは、コーヒー豆を生産する際に使用される加工方法の1つであり、ウォッシュドプロセスやナチュラルプロセスと並んで、代表的なコーヒー加工方法の1つとして知られます。このプロセスは、収穫されたコーヒー豆にまだ果肉が付いている状態で、日光や風にさらして天日乾燥を行います。この時、生産者は豆の品質や風味に影響を与えるため、果肉の付着量や乾燥の程度などを調整します。

プロセスの名称は、豆に残った果肉が、蜜のように甘く、粘り気があることに由来します。果肉の一部を取り除いた状態で乾燥するため、ウォッシュドプロセスよりも多くの風味を豆に残すことができ、ナチュラルプロセスと比較すると、果肉が豆に残っているためフルーティーな味わいがあることが特徴です。このハニープロセスの主な利点の1つは、ウォッシュドプロセスよりも水を節約できることです。ウォッシュドプロセスでは果肉を取り除くために大量の水が必要ですが、ハニープロセスではその必要がありません。また、このプロセスは、豆に芳香性や風味を与えるために行われるため、味わい深いコーヒーを生産することができます。しかし欠点もあります。気候条件によっては、豆が十分に乾燥しないことがあり、豆が湿ったままだと、カビが生える可能性があり、そのため、生産者は注意深く気候条件を監視し、必要に応じて豆を風通しの良い場所に移動する必要があります。ウォッシュドプロセスよりも時間がかかるため、生産者にとっては生産性が低くなる心配もあります。また、適切な乾燥方法を選択しないと、風味が損なわれる可能性があります。

豆に残る果肉の量に応じて、ライトハニー、ミディアムハニー、レッドハニー、ダークハニーなどと分類します。ライトハニーは豆に付着している果肉が少ないため、ウォッシュドプロセスに近い味わいがあり、一方ダークハニーは、豆に果肉を残す時間が多いため、フルーティーな味わいが強くなります。ミディアムハニーはその中間的な味わいを持ちます。コスタリカやニカラグア、エルサルバドルなどの中南米の産地でよく採用されますが、これらの産地では湿度が高く、ウォッシュドプロセスが困難な場合があるためハニープロセスが選択されます。最近になってはブラックハニーと呼ばれる、豆に付着した果肉を濃い赤紫色になるまで取り除かずに乾燥させる方法があり、この方法は特殊にフルーティーな味わいを持つコーヒーを生産することができます。

Semi Washed

Carbonic Maceration

カーボニック・マセレーションは、珈琲の精製方法の一つであり、発酵タンク内に二酸化炭素を注入することが特徴です。よりフルーティーな風味を出すために用いられます。

この方法ではまずコーヒーの豆を密閉されたタンクに入れ、そこに二酸化炭素を注入します。タンク内は酸素を排除し、豆が酸化しないように保護されます。豆はその状態で24〜48時間、タンク内で二酸化炭素による発酵を起こします。この発酵により、豆の中で炭酸ガスが発生し内部の圧力が上昇することで風味の変化を促します。その後豆を取り出し、通常は洗浄してから焙煎します。カーボニック・マセレーションによって発酵した豆は、通常の方法で焙煎した豆とは異なる香りや味わいになります。フルーティーで鮮やかな風味、酸味が特徴です。

主に南米やアフリカの一部の地域で用いられており、コロンビア、エチオピア、ブラジルなどの産地では一般的です。しかし、比較的新しい方法であるため、使用される豆の種類や製法は地域によって差異があります。

Anaerobic Fermentation

アナエロビックファーメンテーションは、「嫌気性発酵」(酸素に触れないタイプの発酵)させる、という点ではカーボ二ックマセレーションと同じです。

この技法はハニープロセスの中で取り除かれた良質なミューシレージを、他の種の豆と一緒にカーボニック・マセレーションと同じようにタンクに入れて嫌気発酵させるタイプなどがあります。この場合、ミューシレージの中の酵素反応によって発生する炭酸ガスが密閉容器の中で高圧力となり、パーチメントコーヒーの中に通常以上のミューシレージ成分を浸透させることが狙いです。

酸素を排除した状態で微生物が糖分を分解し発酵するプロセスを用いた精製方法で、ミューシレージ残存率100%の豆にさらにミューシレージをつけ、より価値を見出したり、種の違う豆の特徴を取り入れたりします。

精製にはまず新鮮な生豆を収穫し、果皮や果肉を取り除いた後発酵にかけます。アナエロビックファーメンテーションを行う場合は、生豆を密閉された容器に入れ、酸素を排除した状態で発酵を行い、微生物が生豆内の糖質を分解し、反応が進んで香りや味が変化します。24〜48時間かけて行われ、発酵の進行により生豆の外皮部分が浮き上がってくるため、これを取り除く作業が必要になります。発酵後、生豆を水で洗い流し、乾燥させることで精製が完了します。

この方法により、独特の風味が生み出されます。

Yeast Fermentation

密閉タンクで行われる嫌気性発酵にはCarbonic Maceration、Anaerobicのほかに、イーストを添加するYeast Fermentation(イースト・ファーメンテーション)があります。このプロセスは、従来のコーヒー生産プロセスよりも時間がかかり技術的なスキルを必要とするため、コーヒー生産者にとっては課題がありますが、高い品質と独特な味わいを持ち、消費者から高い評価を得ています。

参考記事:
嫌気発酵を極める!?Yeast Fermentation(イースト)とLactic Fermentation(乳酸菌)

Infused

インフューズドコーヒーとは、コーヒーの生豆に様々な素材や香味料を加え漬け込み、味わいや香りを移したコーヒー豆のことです。

例えば、バニラビーンズ、シナモン、カルダモン、ナツメグ、ショコラ、ハニー、ココナッツ、フルーツなどを使ってコーヒーにフレーバーを加えます。これにより、通常のコーヒーには無い新しい味わいを楽しむことができるようになります。

純粋なコーヒーの味わいが失われることから、コーヒー愛好家からは評価が分かれることがありますが、近年とても話題性のあるプロセスです。

参考記事:

今コーヒー業界で問題視されているインフューズドコーヒーとは?|川野優馬 / LIGHT UP COFFEE
今スペシャルティコーヒーの世界では、infused coffeeというものが問題視されています。 infused coffeeと呼ばれているのは、コーヒーの生産段階〜生産後の生豆において、infusion = 漬け込みなどによってコーヒー以外のものからフレーバーを移して作ったコーヒーのことです。シロップやフルーツやス...

流通

生産国の農園から出荷されるコーヒー豆、農園の生産者たちから私たちに珈琲豆が届くまでのこのプロセスには、多くの人々や企業が関わっており、また、多くの手間や労力で私たちが飲む一杯のコーヒーになります。

出荷

珈琲農園で生産されたコーヒー豆は出荷までに品質管理が行われます。この品質管理には、収穫されたコーヒー豆の選別、乾燥、焙煎、試飲なども含まれます。これらの工程によってコーヒー豆の品質や風味が決定されます。出荷作業ではコーヒー豆が適切に包装され、船舶、トラック、または飛行機で運ばれるための準備が整えられます。

輸入

出荷されたコーヒー豆は、目的地の国の輸入業者によって輸入されます。輸入業者はその国の関税や法律に従って手続きを行い、品質確認のためにサンプルを取ったり、書類の作成など、これらの手続きはコーヒー豆が輸入される国によって異なります。

卸売

輸入業者は、卸売業者にコーヒー豆を販売し、卸売業者は小売業者やレストランなどの顧客にコーヒー豆を販売するために品質や数量について交渉し、価格を決定、保管や品質管理も不可欠になります。

小売販売

小売業者は卸売業者からコーヒー豆を購入し顧客に販売します。コーヒーショップによっては焙煎の工程がありますが、この焙煎によってコーヒー豆の風味や香りが引き出され、大きな違いが生まれます。また、顧客にコーヒーの種類や産地などの情報を提供し、コーヒーを選ぶ際の参考になる知識も持っていなければなりません。

消費者へ

コーヒー豆が生産者から消費者に届き、一杯のコーヒーとして楽しまれるまでに、様々な流通プロセスがあります。今では簡単にカフェやレストラン、自宅でもコーヒーを淹れて飲むことができます。自分の好みに合わせて、豆の種類や焙煎度合い、淹れ方などを選ぶことができ、コーヒーを楽しむことが容易に出来るようになりました。

近年では、フェアトレードや有機栽培、スペシャリティコーヒーなどの取り組みが広がっており、消費者は自分が購入するコーヒーが、どの国のどの地域の農園で生産され、社会的・環境的に持続可能な方法で生産されたかどうかまでも確認することができますが、それには流通産業の発展の背景があります。

焙煎

焙煎プロセスは、仕入れた生のコーヒー豆に焙煎機で熱を加え、風味や味わいを決定する重要な工程です。淡い黄緑色をした生のコーヒー豆は、焙煎によって表面がだんだん焦げ、薄い茶色から深い茶色へと変化しますが、火入れの加減は焙煎を行う焙煎士により調整されます。多くの愛好家や焙煎業者たちは、豆の産地や品質の他に、焙煎の方法や加減にもこだわります。最高のコーヒーを追求するために世界中の焙煎士が多くの時間と労力を費やしています。

このプロセスによって、豆の香りや味わいが大きく変化します。焙煎によって、珈琲豆に含まれる糖分やタンパク質が変化し、浅煎りでは糖分や酸味が強く、深煎りでは苦味や渋味が強くなる傾向があります。また、豆の色や表面の状態も焙煎の程度によって変化します。深煎りになるほど、豆の表面にオイル分が出てきて、つややかで滑らかな表面になります。

焙煎は、コーヒー豆を美味しくするために非常に重要なプロセスです。焙煎によって、コーヒー豆の風味や香り、酸味や苦味、甘味などが決定されます。焙煎が適切に行われなければ、コーヒーの味が悪くなったり、不味くなったりする可能性があります。温度や時間などの要素が影響します。適切な焙煎をするためには、焙煎器の操作技術や焙煎にかかる時間、焙煎する豆の種類や品質などを考慮する必要があります。

コーヒーの焙煎には、浅煎り、中煎り、深煎りなどの火の入れ加減により種類があり、それぞれ異なる味わいを生み出します。

浅煎り

浅煎りの焙煎は、一般的なコーヒーらしいコーヒーとは異なる味わいを楽しめます。火入れを軽めにして、色が薄い程度で仕上げること。酸味が強く、フルーティーで芳香な香りがあります。コーヒーチェリーの果肉を取り除く際に、自然乾燥することで、甘くフルーティーな味わいを持つことが特徴のアラビカ種を使用することが一般的ですが、浅煎りにすることで酸味の良い成分を最大限に引き出すことができます。

中煎り

中煎りは、浅煎りよりも焙煎が進み、豆が焦げ付く前に表面が茶色がかった色になります。バランスの取れた風味となるため、フィルターコーヒーやエスプレッソなど、様々な飲み方に対応することができます。適度なコーヒー感とまだ残るフルーティさが特徴の焙煎度合いになり、幅広い層に好まれます。

深煎り

深煎りのコーヒー豆は、浅煎りや中煎りよりも、より高い温度、長い時間焙煎されています。豆は黒に近づき、表面に油が出てきます。深煎りのコーヒーは、一般的に苦味が強く、酸味や甘味は控えめに感じます。豆内部の糖分や酸味が分解され、代わりにローストした香りや苦味が出てきます。深煎りは、カフェラテやカプチーノなど、ミルクと組み合わせたドリンクに適しています。焙煎にかかる時間が長いため、豆に含まれるカフェインの量が減少する傾向があります。しかし、苦味成分が増えることによって、刺激効果が強く感じる場合もあります。

8段階の焙煎加減

コーヒーの焙煎度合いは8段階に分けられています。品種や抽出方法によって適切な焙煎度合いを決めます。

以下はそれぞれの特徴です。

1.Light roast / ライトロースト 

うっすらと焦げ目がついた程度の小麦色でコーヒーらしい香りやコクはまだありません。

2.Chinamon roast / シナモンロースト 

名前の通り、シナモン色。酸味が好みな人に好まれます。

3.Medium roast / ミディアムロースト

コーヒーらしいこうばしい香りと、まろやかさのある酸味、わずかな苦味も感じられます。日本のカフェや喫茶店で提供される「アメリカンコーヒー」に用いられることが多い焙煎度合いです。

4.High roast / ハイロースト

さわやかな酸味は残しつつも、コーヒーらしい苦味や甘みが現れ、バランスに優れた味わいになります。一般的な焙煎度合いであり、やや浅めの「レギュラーコーヒー」として用いられます。

5.City roast / シティロースト

深煎りの最初の段階であるシティーローストは、酸味と苦味のバランスが保たれた、最も一般的な焙煎度合いです。日本でも「レギュラーコーヒー」の王道です。

6.Fullcity roast / フルシティロースト

酸味が少なくなると共に、苦味が際立ってくる焙煎度合いです。また、香ばしい香りも一際強くなり始めるので、コーヒーの芳醇な味と漂う香りも同時に楽しめます。

7.French roast / フレンチロースト

焙煎度合いが深くなり、黒に近い焦げ茶色になると、コーヒー豆の油が表面を覆いはじめます。酸味はほとんどなくなり、苦味がより際立ち、香りの質も変化してきます。カフェオレ、ウィンナーコーヒーなどミルクやクリームと掛け合わせるコーヒーに向いており、コーヒーならではの苦味が存在感を発揮します。

8.Italian roast / イタリアンロースト

ほぼ黒色の状態まで煎ったコーヒー豆の表面は、油分でツヤツヤと光り出します。重厚な苦味と深いコクが特徴で、エスプレッソやカプチーノなどイタリアを代表するコーヒーの飲み方に適した焙煎度合いです。ただし近年は、エスプレッソの主流も変化しつつあり、浅煎りのエスプレッソも好まれます。

特徴

香り

コーヒーの香りは味覚や感覚を刺激し、品質を判断する上で非常に重要な要素でになります。また、様々な要素が関わり、豆の品種の種類によって様々な香りがあります。

代表的な特徴としては、アフリカ産の豆には、フルーティーで明るい香りがあることが多く、熟した果実のような香りまで感じられることもあります。中南米産の豆には、花のようなフローラルな香りがするものもあり、豆が新鮮であるため花の香りが残ります。アジア産の豆にはスパイスや、中国茶や日本茶のようなお茶感のある香りの特徴があります。これは、豆に含まれるオイルの成分やの香りが、コーヒーを育てる環境の土壌や、周囲の作物の影響を受け、似ている要素になるためです。また、中南米産の豆には、ナッツのような香りが特徴なものもあり、甘味やコク、香りからアーモンド、ピスタチオ、など様々なナッツを感じます。地域や農家によって、とても多種多様な香りがあります。そして焙煎の程度や具合によってもさらに香りが大きく変化します。浅煎りの場合には焙煎時間が短く生豆に近い状態であり、香りは芳醇で爽やか酸味がありフルーティで紅茶感のある仕上がりに。中煎りの場合には、焙煎したことで香ばしくなり、豆本来の香りとバランスの良いコーヒー感を引き出します。深煎りの場合には、焦げ感のある香り、苦味とともに香りとカラメル感が強く感じられます。焙煎の度合いによって、香りは変化するため、焙煎の仕方にも注目する必要があります。最終的には抽出方法によっても香りが異なります。フレンチプレスで抽出すると、オイリーで芳醇な香りがし、エスプレッソマシンの抽出は、濃厚なボディ感、苦味と甘味の調和が楽しめます。ハンドドリップでの抽出は、その抽出工程でもコーヒーの香りをじっくりと楽しむことができます。自分が好む香りを楽しむためには、抽出方法を選び工夫します。

香りは人間の五感の中でも最も記憶に残るもののひとつであり、その香りを嗅ぐだけで、昔の思い出や情景が蘇ることもあります。楽しみのひとつであり、コーヒーを抽出するプロセスから、香りを感じるための一手間は、コーヒータイムをより一層楽しむために欠かせません。

酸味

コーヒーには、柑橘類のようなフルーティーな酸味があります。酸味はアラビカ種の豆や高地で栽培された豆に多く含まれています。苦味やコクとバランスを取ることで、珈琲の味わいを引き立たせることができます。これはコーヒーに含まれる有機酸によってもたらされますが、有機酸とは天然に存在する酸のことで、クエン酸リンゴ酸酒石酸などが含まれます。これらの酸が組み合わさることで、独特の酸味が生まれます。酸味は様々な要因によって影響を受けますが、まず、コーヒー豆の種類によって酸味の強弱が異なります。アラビカ種の豆は酸味が豊かで、ロブスタ種の豆は酸味が少ない傾向があります。また、産地や栽培方法によっても変わります。高地で栽培された豆は、酸味が豊かになる傾向があります。そして、豆の焙煎の度合いが酸味の強弱を大きく決定します。浅煎りの豆ほど酸味が強く感じられます。また、珈琲の抽出方法で酸味の調整を行いうこともできます。ドリップやエスプレッソなど、抽出方法によって珈琲の味わいが変化します。酸味を強く感じたい場合は、ドリップなどの調整が出来る抽出をする方法が適しています。一方、酸味を抑えたい場合は、抽出温度を下げる、注湯での調整など、カスタムできるドリップでの抽出が適しています。珈琲の酸味は、苦味や甘みとともに珈琲の味わいを形成しています。酸味が豊かなコーヒーの、フルーティーな香りや爽やかな味わいを楽しみます。

甘味

甘味の感じ方は、個人差がありますが、舌の先端部分にある味蕾が感知しているとされています。コーヒー豆には、糖分が含まれていますが、これらの糖分は焙煎によって分解され、苦味成分が増加します。焙煎度合が深くなるにつれ、甘味が感じられにくくなります。

砂糖、穀物、チョコレート、キャラメル、フルーツのような甘味から糖蜜のような味わいまで、様々な甘味がコーヒー豆には含まれています。

苦味

様々な要因によりますが、珈琲にはタンニンと呼ばれる苦味成分があります。ロブスタ種の豆や深めの焙煎に多く含まれ、風味を強めるために欠かせない、味わいの中でも重要な要素です。品種、焙煎の度合い、抽出方法、温度、時間などによって変化します。豆の品種や焙煎の度合いを調整することで、苦味を緩和するなど柔軟に対応することが大事です。苦味が強すぎる場合は、牛乳やシロップなどを加えることで、苦味を和らげることも考えられます。

マウスフィール

マウスフィールとは、”口当たり”、”舌触り”。舌や口の中で感じる口当たりや飲み口の感触です。ポジティブな粘質を評価します。ライトローストのフルーティーな酸味や柑橘系の酸味などは口当たりが鮮やかです。ダークローストのコーヒーは濃厚で、ストレートのコーヒーでも、ミルクのようなクリーミーさがあります。コーヒーの評価には、味や香りなどの要素の他に、良質なマウスフィールが重要です。下の上にツルッと残る気持ちの良いマウスフィールは、良質なコーヒーの要素になります。成分や水の硬度、温度、焙煎度合い、抽出方法などが影響し、滑らかさや粘り気、舌触りなどが表現されます。

ボデイ

コーヒーは、オイルや脂肪酸などの成分が豆に含まれ、軽いものからミルクのように濃厚な感触を連想させ、コクと表現されるような液質を感じるものまで様々です。「ボディ」と表現される質感は、豆の種類や焙煎の度合いによって異なりますが、豆の内部の油脂が豊富なほどボディがあり、苦味や酸味とバランスを取ることで、コーヒーの味わいをより豊かにします。また、水の硬度や温度も影響を与えます。硬度が高い水を使用するとボディが強くなります。粉の挽き方も影響を与えます。粗く挽いた粉は水との接触面積が少ないためボディは少なくなります。一方、細かく挽いた粉は水との接触面積が多くなるため、抽出効率が上がりボディが増します。コクの感じ方は個人差がありますが、コーヒーに含まれるオイルや脂肪酸、タンパク質などが口腔内に残留することで、濃厚な口当たりを感じることができます。

アフターテイスト

アフターテイストは香り、口に残る余韻を表現します。豆の種類、ローストの方法、抽出方法によって左右されますが、食道と気道が一本で繋がっているためボディとの相関関係も強いです。コーヒーを飲み込んだ後に食道から香りが戻り、鼻腔内の「戻り香」と口腔内で感じる香りの印象が残る様子を表現します。直接味覚には感じない効果もありえます。カフェインに関する研究によれば、カフェインは摂取後30分から1時間後にピークを迎え、効果は4-6時間程度続くとされています。技術やコーヒーの品質によって、アフターテイストの質も様々です。

カフェインの影響

コーヒーに含まれるカフェインは、覚醒作用や集中力の向上、運動能力の向上などに影響を与えます。認知機能の改善などに影響を与え、疲労感を減らす効果があるとされています。また、カフェインの摂取量やタイミングによっては、効果が異なる様々な報告があります。もし過敏に身体が反応してしまう場合には、摂取をやめる、減らす、デカフェを選ぶという方法もあります。

カッピング

Cupping -品質を評価する-

「カッピング」とは、コーヒーの品質を評価するための手法の一つです。

定義と目的

コーヒーの品質を客観的に評価するために行うテイスティング(味見)のことを「カッピング」といいます。カッピングで評価されるコーヒーは、豆の産地や種類、品質、精製方法、焙煎方法などが考慮されます。香り、風味、酸味、苦味、甘みなどを評価するため品質を客観的に判断し、結果は評価用シートに記入され各項目ごとに点数がつけられます。その結果を分析することで品質や味の特徴を把握、管理します。品種の改良やブレンド、抽出方法などの調整が行われ、品質を向上させる目的、価格を決める上でのエビデンスという意味もあります。

カッピングはコーヒー業界で働く人たちにとっては必須とも言えるスキルとなっており、とても重要な作業です。カッピングの前には香りの強いものや、味の強いものを摂取するのを避け、味覚を敏感な状態に整えることで正確な評価を目指します。味や香りなどの特徴を把握することで、より良いコーヒーを作り出すことができます。品質を評価するためのスタンダードな手法であり、国際的にも認められ、信頼性の高い評価方法です。「カッパー」と呼ばれるプロのコーヒー関係者が、規定されたプロトコルに従い品質を評価します。風味や品質を正確に評価することを目的とし、品質を高めるための情報を収集、出荷や購入に関する意思決定を行う際の重要な指針にもなります。人間の感覚は主観的であり、同じコーヒーでも評価が異なることがありますが、カッピングでは特定の基準に従って評価が行われることにより、客観的な評価が可能となります。品質向上、抽出における調整の目的でカッピングは積極的に行われます。

カッピングが行われる場面と重要性

一般の消費者にはあまり知られていませんが、コーヒー業界に関わる専門家達の間ではよく行われます。特に、スペシャルティコーヒーの生産、流通、販売に至るまでの過程においては非常によく行われます。焙煎されたサンプルのコーヒー豆を使用し、生産地、品種、精製方法、焙煎度合いなどを比較し点数を付けます。品質を評価し、価格の決定や、抽出する際の有益な情報を収集します。抽出のプロのバリスタ達は、カッピングによって抽出レシピを構成し、調整の一つの指針にします。コーヒーの文化を深めるための貴重な手段でもあります。その多様性や深みには驚くべきものがあり、コーヒーの品質や特徴を深く理解し、楽しむことが可能になります。また、カッピングを通じて生産者や焙煎業者、そしてコーヒー愛好家たちが交流し、より良いコーヒー文化の発展に貢献するということも期待ができます。コーヒーの特徴を理解するための貴重な手段でもあり、生産者や焙煎者、そして、コーヒー愛好家たちにとって文化を深め、より良いコーヒーを楽しむための手段となります。

適切なカッピングプロセスの知識があれば自宅でもカッピングを楽しむことができます。自分でコーヒーを評価することで、さらにコーヒーを楽しむことができるでしょう。

必要な器具

  • カッピングボウル
    カッピングボウルは、グラインドし、粉にしたコーヒー豆を入れるカップです。カップは、コーヒーの色や濃さを視覚的に評価するため、白い陶器や透明なグラス素材のものが使用されることが多いです。一般的にカッピングボウルの容量は150〜250ml程度で、カッピングの際には、コーヒー豆の粉量と湯量の比率は決まっています。豆の量や水の量を均一にするために各団体ごとに大きさが統一されており、カップの深さは、香りを逃さないように深めに作られています。グラス素材のカッピンググラスもあります。
  • カッピングスプーン
    カッピング用のスプーンは円形状であり、口に入れたコーヒーの香りや味が分かりやすい形状になっています。スプーンの材質はステンレスが一般的で、取り扱いやすいように軽量化されています。スプーンの容量は5ml程度で、杯に入れるコーヒーの量が一定になるように設計されています。また、スプーンには、持ち手に「ボール」と呼ばれる突起がついていることがあり、スコーヒーをかき混ぜることができます。このスプーンでコーヒーを啜ることで、コーヒーの香りを立ち上らせ、香り、味わいを深めることができます。
  • スケール
    スケールは、カッピングに必要な豆の分量を正確に計るために使用されます。カッピングにおいて、粉量は正確であることが非常に重要です。使用する粉の量は、一般的には8.25g程度が使用されます。この量は、評価のために規定の割合があり、カップのサイズに合わせて調整されます。一般的には、スケールの精度は0.1gまで表示できるものが使用されます。スケールは、デジタル式やアナログ式のものがあり、各種精度や表示方法が異なりますが、コーヒー専門店やカフェなどでは、高精度で操作性の良いデジタル式のスケールが使用されます。また、コーヒー豆の種類によっても、適切な分量が異なるので、カッピングの前には、カッピングに使用する豆の種類に応じてスケールの調整が必要になります。
  • グラインダー
    またカッピングでは、均一な粒度で挽いた豆を使用することも重要です。そのため、コーヒーの豆を挽くために専用のグラインダーを使用します。グラインダーの種類には、手動式と電動式があります。手動式グラインダーは、ハンドルを回して豆を挽くタイプで、音が静かで小型・軽量なため、持ち運びやすく、アウトドアでも使用されます。ただし、手動式だと豆を挽く時間がかかり、煩雑に感じる人もいるでしょう。一方、電動式グラインダーは、電源を接続するだけで、簡単に豆を挽くことができます。豆の量や挽く粗さを設定できるため、使い勝手が良く、カフェなどの店舗でもよく使用されます。ただし、大型で重たいため、持ち運びには向きません。
  • タイマー
    コーヒーの粉に湯を注いでから正確な時間を図ります。湯を注いだ後から時間を計りますが、タイマーは、スケールに付属している場合があり、タイマー機能がついている場合は不要です。キッチンタイマー、スマートフォンアプリを利用する場合もあります。カッピングにおいて時間を正確に計ることは、コーヒーの味わいに影響を与えるために重要です。コーヒー粉に湯を注いでからの時間を図り正確に計測することで、コーヒーの酸味や苦味、風味のバランスの経過を確認することができます。
  • スコアシート
    評価項目や印象を記録し点数を付ける用紙になります。カッピングを主催する団体によって配布され、対象のコーヒーの酸味、香り、味わい、余韻、バランスなどの項目が設定されています。評価者は、豆の風味や味わいを吟味し、スコアシートに評価点数を記入します。上記スコアシートの発行元、SCAAの点数基準としては、各項目ごとに1から10点で評価され、100点が最高評価となります。コーヒー豆の産地、品種、焙煎方法、保存方法などを考慮しながら、それぞれの項目に対して点数をつけます。スコアシートには評価者の名前や評価日時などの情報も記入されます。コーヒー豆の味についての評価のみならず、ブレンド方法や焙煎調整も役立つ情報を、世界基準で共有できる重要なツールです。

手順と評価項目

以下、カッピングにおける大まかな手順と評価項目になります。

検体となる豆の準備

カッピングに必要な豆を用意します。豆のグラインドサイズは、カッピンググラインドと呼ばれ、やや粗めのサイズが一般的ですが、カッピングプロトコルを定義している団体に合わせたサイズに挽きます。

ドライ

検体となる豆を挽いた後、注湯する前の乾いた状態での香りの量や性質を評価し記録します。

クラスト

カッピングの際には沸騰直後のお湯を使用し、粉量に対して16〜18.5倍の湯を注ぎます。
注湯し、湯と触れ合っているタイミングでの香りの評価する作業が「クラスト」になります。
この湯量についても、カッピングを主催する団体によってそれぞれ定義が異なります。

ブレイク

注湯してから4分後、注湯した順にカップに浮いている粉を沈めるように優しく撹拌します。
攪拌することで香りを取り出し、評価します。

スキミング

カッピングスプーンを2本使用し、表面のに浮いた上澄みの泡や粉を取り除きます。この作業は「スキミング」と呼ばれます。スキミングの際には、複数の検体が混ざらないように一つの検体ごとに水の入ったグラスでリンスし、ペーパーなどで余分な水分を落とします。

テイスティング

ドライ、クラスト、ブレイク時の香りを評価し、スキミングで雑味を取り除いたらいよいよテイスティングになります。カッピングスプーンで検体をすくい、勢いよく口内に霧状になるように吸い込みます。霧状にすることで下に感じる味の要素の他に、香りも捉えやすくなります。また、時間とともに変化する温度の違いによる香りや味わいも評価します。温度の変化により捉えられる要素も変化します。

評価

上記工程時の評価、テイスティングでの評価をスコアシートに記録します。

以下は、スペシャリティコーヒーを定義するアメリカの一つの団体「SCAA」による評価項目になります。

  1. アロマ 
    ドライ時、液体時の香り

  2. フレーバー
    検体の液体を口に含んだ際の香りと鼻から抜ける風味

  3. アフターテイスト
    余韻

  4. アシディティ
    酸味

  5. ボディ
    口に含んだ際の粘性、コクの強弱と質

  6. ユニフォーミティ
    異なるカップでの均一性(SCAAでは同じ検体を5カップ用意する)

  7. バランス
    フレーバー、酸味とコクのバランス

  8. クリーンカップ
    欠点や雑味のなさ

  9. スイートネス
    甘み

  10. オーバーオール
    総合点

上記10項目になり、評価項目ごとに点数を付け、80点以上で「スペシャリティコーヒー」と定義されます。

人の味覚による評価は、個人差や主観が含まれるため正確な評価は難しいですが、世界基準により細かく定められた項目で評価することで、その豆がどんな味わいや、フレーバーの性質、特色があるのかを可能な限り共有します。

◻︎自宅で出来るカッピング

抽出

コーヒーにおける抽出方法は多種多様であり、それぞれの方法によって得られる風味や香りが異なります。その為、適切な抽出方法を選ぶことが大切です。

代表的な抽出方法とその特徴

ドリップ(Drip)
DRIP
多種多様な抽出方法、レシピなどについての記事
フレンチプレス(Frenchpress)
エスプレッソ (Espresso)
ESPRESSO
イタリア文化、エスプレッソに関する全ての記事
エアロプレス(Aeropress)

バリスタ / Barista

バリスタ」(barista)という言葉は、イタリア語の「バール」(bar)という言葉に由来しています。バールとは、コーヒー、酒、軽食などを提供する小さな飲食店を指します。バリスタはそんなバールで働く人の中でも、コーヒー専門家を意味する言葉です。その役割は、コーヒーショップの顔として欠かせない存在です。

語源と歴史

バールで接客、酒やコーヒーなどのようなドリンクの提供を担当する人を「バールマン」(barman)と呼びます。「〜ista」はイタリア語でサービスを提供する人という意味を持ち、これが英語圏のコーヒーショップで働く人を指す「バリスタ」(barista)の語源となったとされています。バリスタという言葉が広まったのは、1980年代のアメリカ合衆国でのことで、当時、大手チェーンのコーヒーショップが全米各地に拡大し、バリスタという職種が注目されました。バリスタの役割はコーヒーショップでのドリンクの提供だけでなく、豆の選定や焙煎、グラインダーの調整など、コーヒーに関するあらゆることを知っている必要があります。また、お客様とのコミュニケーションやサービス精神も重要なスキルです。提供する美味しいコーヒーは、多くの人々に愛され、コーヒー文化が広がるきっかけとなり、文化の発展にも大きく貢献してきました。コーヒーショップでのドリンクの提供だけではなく、彼らが持つ豊富な知識や技術、そしてサービス精神が、多くの人々に愛されるコーヒー文化の発展に欠かせない存在となっており、コーヒー文化の発展、また、社会的な責任も担っています。

役割と責任

まず、バリスタはコーヒーショップの顔となる存在です。コーヒーショップを訪れた際に最初に接するスタッフであり、お店の印象を決定づけることが多いため、礼儀正しく接客することが求められます。またコーヒーショップはくつろげる場所でもあるので、居心地の良い空間を作り出すことも大切な役割となり、コーヒー以外の様々なスキルが求められます。お客とコミュニケーションをとり、ニーズや好みを理解し、親身になってサポートすることが必要です。また、笑顔での挨拶や、お客が何か困っている場合は丁寧に対応し満足度を高めること、店内の清潔さや快適性にも配慮し、環境にも配慮した取り組みも必要、と、定義されます。

コーヒーショップのメニューには、様々な種類のコーヒーがありますが、バリスタがオススメすることで、より多くの商品を購入してくれる可能性が高まります。また、リピートも期待できます。お客とのコミュニケーションを通じて、好みや嗜好を把握し、次回の来店に向けての準備をします。高いスキルや知識が求められ、常に最高のコーヒーを提供することが期待されます。そのため、コーヒーショップにおいて欠かせない存在であり、味や質を確保するためにも非常に重要な存在で、コーヒー文化の発展にも貢献しています。

知識と技術

コーヒーを提供する際は、コーヒーについての情報も提供する役割があります。コーヒーの豆の種類や産地、焙煎の度合い、抽出方法などについて説明することで、お客がより美味しいコーヒーを楽しむことができるようになります。またコーヒーの美味しさを引き出すために、抽出技術を磨くことが不可欠です。抽出方法、時間や温度、水の量などを微調整することで、最高のコーヒーを提供することができ、知識とスキルについても、深く理解し、その知識を実践的に活かす技術を持っていることが必要です。産地や焙煎度合いによって風味や香りが異なるため、その特徴を把握し、それに合わせた抽出方法を選択する必要があり、メニューについても把握し、素早く最適なコーヒーを提供することが求められます。また、「エスプレッソ」というマシン抽出方法があり、その扱いや調整についても深く理解していることが望まれます。豆の挽き方、抽出量、抽出時間、ミルクの泡立て方などの技術的スキルも必要です。これらのスキルを磨くためには、実際にコーヒーを淹れる練習が欠かせなく、正しい豆の量や水の量、温度を計量し、手順通りにコーヒーを淹れることができるようにならないと美味しいコーヒーを提供することができません。マネジメントに関する知識や店舗の経営に関する幅広い知識や経験も必要です。必要なスキルや知識は多岐にわたりますが、それらを磨くことで美味しいコーヒーとともに、コーヒーの魅力を伝える心地良い時間を提供することができます。

持続可能性に配慮した取り組みや、新しいコーヒー文化を生み出すためのアイデアや提案など、バリスタが担う役割、存在意義は非常に大きくなる場合があり、コーヒーショップでの顧客満足度やビジネス成長にも影響を与えます。バリスタが持つスキルや知識、役割や責任について深く理解し、適切に育成することが、コーヒーショップの成功につながるともいえます。

一見単純なコーヒーを淹れる仕事に思えるかもしれませんが、その重要性や役割は非常に大きく考えることができ、今後もバリスタの存在意義や役割についてより多くの人々が認識し、その重要性を理解していくことが大切です。

保存

コーヒー豆は適切に保存しないと品質が低下し鮮度が失われます。

以下、適切な保存方法について解説します。

焙煎直後

コーヒー豆を焙煎した直後は二酸化炭素を放出するため、密閉保存する前に少なくとも24時間ほど落ち着かせます。また、抽出して飲むまでに、「エージング」と呼ばれる一定期間適切に保存する期間があることが望ましく、期間は季節や、保存状態などの要因によってエージングの期間も左右されます。

適切な密封容器

保存する際には、適切な密封容器を使用することが必要です。特に、真空パックは、豆を新鮮な状態で保管するための最適な方法です。また、密封容器に入れる際に、空気を抜くことが望ましいです。

空気、湿気、光を避ける

保存する際には、空気、湿気、光を避けることが重要です。空気は豆に酸素を供給し、酸化を引き起こす可能性があるため密封容器に保存する必要があります。湿気はカビの原因になるため、豆を乾燥した場所に保管する必要があり、光は、豆の風味や香りを破壊するため、暗い場所に保管する必要があります。冷蔵保存や、冷凍保存も効果的です。

温度を一定に保つ

過度な熱や冷たさは、豆の品質に影響を与えるため、15℃~25℃の温度帯内で保管することが望ましいです。

頻繁に開封しない

頻繁に開封することを避けることを意識します。開封するたびに、豆は空気に触れるため、酸化が進みます。また、一度に大量に買うことを避け、必要な分量だけを買うことも重要です。

これらの方法に従うことで、コーヒー豆を新鮮な状態から劣化を遅らせ、長期間風味や味わいを残すことが可能になります。

地域性

イタリア / エスプレッソ

発端はイタリアの発明家がエスプレッソマシンを発明したことです。エスプレッソマシンは、高圧力でコーヒー豆のエキスを抽出することができるもので、その後、多くの改良が加えられ、現代のエスプレッソマシンの基礎となりました。エスプレッソマシンが開発された後、イタリアのカフェ文化は大きく発展し、多くの人々に愛される飲み物となっていきました。現在ではイタリアのカフェ文化に欠かせない存在となっており、国内には、数多くのカフェがあります。イタリア人は、朝食やランチ、ディナーの前後にエスプレッソを楽しむことが一般的で、また、友人や同僚との会話のきっかけにもなることがあります。

ベトナム / ベトナムコーヒー

ベトナムでは独自の器具「カフェ・フィン」を使ってコーヒーを抽出します。コンデンスミルク(練乳)を加えた甘くて濃厚なコーヒーが特徴です。砂糖を加えたコーヒーよりもかなり甘くなります。しっかり混ぜないで飲むと、前半の苦み、後半の甘みといった味わいのコントラストやグラデーションを楽しむことが出来ます。ベトナムのコーヒーに加えるものがミルクではなくてコンデンスミルクなのは、ベトナムの歴史が関わっています。1850年代にベトナム北部にアラビカ種のコーヒーの木を導入しましたが、アラビカ種はベトナム北部の環境に適応せず収穫量も確保されませんでした。フランスの植民地化とともにロブスタ種のコーヒーの木が持ち込まれ大量に栽培されますが、ロブスタ種は苦味が強くクセのある味のためブラックでは飲みにくく、現地にいたフランス人たちは飲みやすくするためにミルクを加えようと考えました。ですが、当時のベトナムでは冷蔵保存が難しいせいもありミルクが手に入りにくく、ミルクの代わりにコンデンスミルクが加えられるようになったと言われています。

トルコ / トルココーヒー

トルコ式コーヒーは、中東やバルカン半島を中心に広く飲まれている伝統的なコーヒーの一種であり、挽いて粉にしたコーヒーを小さな銅製のポットで煮出して作られます。トルコ語で「ターバンコーヒー」と呼ばれるこのコーヒーは、独特の風味と強い香りが特徴であり、多くの人々に愛されています。

トルコ式コーヒーコーヒーを飲む前には、少し待ちます。約1~2分間待つことで粉が沈殿し、美味しく飲めるようにするためです。細かく挽かれたコーヒー豆を煮出すため、濃厚で豊かな味わいが楽しめます。飲む際には、コーヒーの底に残った粉も一緒に飲むことがあります。

サードウェーブ

サードウェーブコーヒーとは、コーヒー業界における一つの現象であり、1980年代から1990年代にかけてアメリカ合衆国の一部の都市で生まれたコーヒー文化の新しい波のことと言えます。業界における新しい動向の一つで、それまでのコーヒー文化を一新し、単なる飲み物としてのコーヒーから、品質や風味、生産者や農園などのストーリー性に注目した品質や生産者のストーリー性に重点を置き、より高級で高品質なコーヒー文化を創造することを目指しています。

スペシャリティコーヒーを提供する小規模なカフェやロースターが中心になって展開されています。これらのビジネスは、品質にこだわり、特定の生産者や農園から直接仕入れることで、コーヒーの味や品質を確保することを目指し、浅煎りのものがメインになります。サードウェーブコーヒーのカフェや店舗では、豆の鮮度や焙煎の方法、抽出の仕方など、コーヒーを最高の状態で提供するための努力がなされています。そのため、サードウェーブコーヒーのコーヒー豆は、通常のコーヒー豆よりも高価であり、カフェや店舗の価格も高めになる傾向があります。

このような取り組みは、コーヒー生産者にもメリットがあります。サードウェーブコーヒーの需要が高まり、生産者が直接販売することで、より高い価格で取引ができるようになります。そのためコーヒー生産者と消費者の双方にとって、持続可能なビジネスモデルとして注目されています。

サードウェーブコーヒーは、高品質なコーヒー文化を促進する一方で、社会的な問題も少なからず影響を受けています。それでもサードウェーブコーヒーは、消費者の意識が高まり、特に若年層を中心に品質や生産者のストーリー性に関心を持つ傾向がある現代社会において広く支持されています。知識や情熱を共有するコミュニティーを形成し、コーヒーに対する理解を深め、より良い品質のコーヒー文化が普及することが期待されています。

さらに近年は、サードウェーブコーヒーが大手コーヒーチェーン店にも浸透し始めています。大手チェーン店もサードウェーブコーヒーの需要に対応するために、品質にこだわったコーヒーを提供する取り組みを始めており、コーヒー市場全体において品質の向上が進んでいます。これは高品質なコーヒー文化を創造するための取り組みであり、生産者や消費者、マイクロショップやチェーン店など、コーヒー市場全体に良い影響を与える可能性があります。総合的に考えると、持続可能なビジネスモデルを確立するために様々な課題に取り組む必要があります。

スペシャリティコーヒー

スペシャリティコーヒーの定義は、世界的なコーヒーの専門団体であるSCAA(Specialty Coffee Association of America)が定めたものに基づいています。SCAAはスペシャリティコーヒーの定義をグレード分けされたコーヒー豆の中でも、品質が特に高いものと定義しています。具体的には、SCAAが定める基準により80点以上と点数で管理されています。

1980年代にアメリカ合衆国のコーヒー専門店が提唱した概念ですが、当時、一般的なコーヒーは量産型の低品質なものが主流であり、多くの人々がコーヒーの味に対して無頓着だったため、コーヒーに対する価値観が低かったと言われています。そこで、銘柄や産地、焙煎方法、抽出方法にこだわり、より高品質なコーヒーを提供することで、コーヒーに対する新しい価値観を広めようとする動きが始まりました。これが、スペシャリティコーヒーの起源とされています。

特徴は、その味と香りにあります。一般的なコーヒーと比べて、豊かな香りとフルーティーな味わいが特徴的です。また、酸味や苦味が調整されており、口当たりもなめらかで心地よいとされています。コーヒー豆自体の品質だけでなく、産地や生産者の精製方法、焙煎士による焙煎プロファイル、そしてバリスタによる抽出方法などによって様々です。

農家や生産者が育てた特定の品種、収穫から流通、焙煎、抽出までを厳密な管理の下で行い、全ての情報が明確になっています。

様々なアレンジ

コーヒーは、シロップやお酒と合わせたものや、デザートなどに合わせたりと、その他様々な方法でアレンジされ楽しまれます。

未来と展望

世界中で愛される飲み物であり、特に最近の健康志向のトレンドによりカフェインや抗酸化物質などの健康効果に関心が高まっています。このため、コーヒー業界はますます重要性を増しており、今後の展望も期待されます。

持続可能性の重要性

近年、環境問題や社会的責任などの課題がますます高まっていますが、コーヒー業界においても持続可能な生産方法の重要性が高まっています。特にコーヒー農家の生活改善や生態系の保護、適切な賃金の支払いなどが求められるようになっています。また、炭素排出量の削減や廃棄物の削減など、環境に配慮した取り組みも進んでいます。

品質に対する要求の高まり

コーヒーの品質に対する消費者の要求は高まり、豆の品質や産地や精製方法、焙煎、抽出のプロセスなどが重視されています。このため高品質なコーヒーを提供できるようにするために、生産者や焙煎業者はより効率的な方法を模索しています。また、消費者が個性的な味わいを求める傾向があるため、コーヒーのバリエーションがさらに増えることも予想されます。

デジタル化の進展

コーヒー業界においてもデジタル化が進んでいます。注文方法や支払い方法、会員プログラムなどがオンラインで完結します。また、コーヒーメーカーのスマート化も進んでおり、スマートフォンから焙煎の設定、注文なども行えるようになっています。

これらの技術の進展により、コーヒーの提供方法や業界のビジネスモデルはますます変化していくことでしょう。

需要の拡大

世界人口の増加や新興国の経済成長によりコーヒーの需要は年々拡大しています。健康への良い影響もありますが、人々がコーヒーを通じて新しい繋がりをつくったり、文化を共有したりすることが可能です。これはコーヒー業界にとって非常に重要なトピックで、コーヒーショップやカフェは、社交の場やコミュニティの場としても機能しているからです。コーヒー業界は常に変化し続けており、今後も進化し続けるでしょう。

歴史年表

10世紀頃   イスラムの世界的医学者ラージー(ラーゼス)が初めてコーヒーの効用について記述
11世紀哲学者医学者のアビセンナ(イブン・シナー)がコーヒーの具体的な飲用法を書き残す
1454年聖者・碩学シーク・ゲマレンディがアビシニヤ(エチオピア)へ旅しコーヒーの効能を知りイスラム全土に紹介(アラビア語文献がフランス国立図書館に所蔵されている)
15世紀イエメン地方でコーヒーノキが栽培されだしたと思われる。(コーヒー豆の繁殖力のあるものは、他国への流出が禁止され、アラビアがコーヒー豆供給を独占していた。)
1505年アラブ人によって、イエメンからセイロンへコーヒーノキが伝えられる
1510年飲物のコーヒーがカイロに伝わる。飲用がエジプトへ
1511年メッカ事件(コーヒー弾圧事件)
1517年オスマントルコのセリム1世がエジプトを征服し、コーヒーをイスタンブールに伝える。
(コーヒー飲用がオスマントルコへ)
1554年イスタンブールにコーヒー提供の店「カーヴェハーネ」出現
1583年ドイツ人医師で植物学者のレオンハルト・ラウウォルフがエジプトを旅行し、コーヒーの話を印刷物でヨーロッパに紹介
15世紀末コーランで酒を禁止されているイスラム教徒に熱狂的に飲用されるようになる
1600年ローマ法王クレメンス8世がコーヒーを「異教徒のみの飲み物にしておくのは惜しい、キリスト教徒の飲み物にせん」と宣言したと伝えられる(キリスト教徒が抵抗無くコーヒーを飲むようになる
1615年コーヒーがべネチアに伝わる。(コーヒー飲用がヨーロッパ圏へ)
1640年商業目的でオランダ商人ヴルフバインが初めてモカ港よりアムステルダムに運んできて販売
1641年蘭商館が平戸から出島に移された。以後に、オランダ人によりコーヒーが出島に持ち込まれることになる(寛永18)
1645年ヨーロッパ最初のコーヒーハウスがべネチアに開業(イタリアで一般にコーヒーが飲まれるようになる。
1650年オランダ人商人が、スリランカとジャワ島に珈琲の植え付けを始める。
イギリス最初のコーヒーハウスがオックスフォードでユダヤ人のジェーコブスによって開業
1652年ロンドンにコーヒーハウスがパスカル・ロゼーによって開業。
1668年北アメリカにコーヒーが伝わる
1670年コーヒーがドイツに伝わる
1672年パリにアルメニア人パスカルがカフェを開店
1680年イギリスでコーヒーハウスを利用した郵便制度ができる
1683年ウイーン包囲失敗でトルコ軍が残したコーヒー豆でコルシツキーがウイーンで最初のコーヒーハウスを開業
1685年フランスの著名な医師モナンが健康に良いとカフェオレを勧める
1686年パリのコメディ・フランセーズに、後に多くの著名人が集うことになるカフェ・プロコールが開店した
1695年イスラム教巡礼者ババ・ブータンがインド・マイソール(インド南西岸)ヘ繁殖力のあるコーヒー豆を伝える。(インドで生産が始まる)
1699年オランダがインド・マラバル(インド南西岸)からコーヒーノキの苗木を運搬しオランダ領インド諸島(ジャワ島)へ持ち込む。インドネシアの全てのアラビカ種の先祖となる
1706年ジャワ島からアムステルダム植物園へコーヒーノキが持ち込まれる。この木の種子が元になって、世界各地へコーヒーが伝播することとなる。
1712年ジャワ島のコーヒー豆がアムステルダムで競りに出された
1714年・アムステルダム市長からパリのマルリー城のルイ14世へコーヒーノキが送られる。(このコーヒーノキが植物園で育てられる)
・コーヒーノキがパリからレユニオン島等のアフリカ西海岸諸国へ
1717年トーマス·トワイニングがイギリス最初のティー·ハウスを開店へ
1723年フランスのガブリエ・マチュ‐クリュー歩兵大尉が本国に一時帰省した帰りに、パリ植物園のコーヒーノキの苗木をマルティニク島(カリブ海)へを持ち込む。(コーヒーノキがアメリカ新大陸へ入り、後に、大供給地となっていく。)
1724年蘭商館長が参府、この時、幕府関係者との対談をまとめた「和蘭問答」の中に、コーヒーと思われる記述がある。(享保9)
1727年ブラジル(アマゾン河口のポルトガル領パラ)にコーヒーの種子と苗木が入り生産が開始される。
1734年バッハが「コーヒー・カンタータ」を発表し、自らの指揮でカッフェで初演
1744年イギリスのトーマス·フライがボン·チャイナを発明(ウェッジ·ウッド等の発展の元となる)へ
1753年リンネがコーヒー(Coffea Arabica)を分類・命名
1773年ボストン茶会事件(イギリスが、植民地アメリカへの茶の輸入率関税を撤廃しなかったために起きた暴動、アメリカでコーヒーの消費が促された)
1777年フリードリヒ大王(ドイツ)によるコーヒーの輸入弾圧によりコーヒーの代用品チコリー等が出回る
1797年長崎の井出要右衛門がはじめて大宰府天満宮にコーヒーと砂糖を奉納した。(寛政9)
1800年フランスのド・ベロイがドリップポット(微小な間隙を使ってコーヒーを抽出し粕と分離する)を発明
1804年奉行に勤務していた大田蜀山人が、紅毛船で初めてコーヒーを飲んだ体験を焦げ臭くて味わうにたえないと書いた。(文化1)
1806年ナポレオンの大陸封鎖により代用コーヒーが出回る
1818年ブラジル産のコーヒーが初めてヨーロッパへ
1821年ネルドリップ方式がイギリスに現れる
1826年シーボルトは、コーヒーは長寿をもたらす良薬であると「薬品応手録」でコーヒーをすすめている。(文政9)
1840年イギリスでコーヒーのサイフォン式抽出機を発明
1858年コーヒー豆が正式に輸入できるようになった(安政5)
1869年横浜の邦字新聞「萬国新聞」に、コーヒーの広告が掲載された(明治2)
1869年スリランカでさび病が発生(スリランカは茶生産へ転換)
1878年小笠原で初めてコーヒーの栽培を試み、4年後に収穫があったが、一般の栽培は行われなかった(明治11)
1888年東京下谷黒門町で鄭永慶(ていえいけい)が喫茶店「可否茶館」を開店した(4年後には閉鎖)(明治21)
1899年加藤サトリ氏がインスタントコーヒー発明(1901年のバッファローの全米博覧会で展示)
1901年アメリカ人ジョージワシントンが別の方法で特許を得てインスタントコーヒーの生産を開始した(以後、工業化へと発展)
1903年世界供給の4分の3を占めるブラジルのコーヒー豆が暴落
1908年始めての日本人のブラジル移民
1908年ドイツのメリタ・ベンツ夫人がペーパードリップ方式を考案した
1911年東京銀座に「カフェ・プランタン」(松山省三)、「カフェ・パウリスタ」(水野龍)、「カフェ・ライオン」(精養軒) とカフェーを称する店が相次いで開店した(明治44)
1912年水野龍が株式会社「カフェ・パウリスタ」を設立し、その後ブラジル・サントス州政府の後援(コーヒー豆を日本人移民送り込みのお礼として無償提供、大正12年まで続く)のもとでコーヒーを宣伝するために各地に喫茶店を開店する。コーヒーの普及に大きな効果(大正2)
1927年コロンビア国立コーヒー生産者連合設
1930年この頃風俗営業化したカフェの全盛時代(昭和5)
1931年アフリカ象牙海岸でコーヒーの栽培が始まる
1931年ブラジルのコーヒー豆の生産過剰で、廃棄対策が始まる
1938年 戦時体制の強化により、コーヒーの輸入量は、これまでの最高水準である昭和12年(8,751トン)の半分に減少。コーヒー代用品(大豆、麦等)が出回り始める(昭和13)
1938年大日本珈琲統制組合が結成される(昭和13)
1939年奢侈品に対する戦時課税としてコーヒーに10%の物品税がかかるようになった(昭和14)
1939年インスタントコーヒーがアメリカ軍の携行品として採用された
1941年農林省が「代用珈琲統制要綱」で代用コーヒーの規格を定める(昭和16)
1942年コーヒー豆の輸入が完全に途絶え。戦時中は統制会社日本コーヒーによりレギュラーコーヒー、インスタントコーヒーが製造され、軍に納入された(昭和17)
1945年コーヒー豆不足が5年後の輸入再開まで続き、コーヒー豆は貴重品となる(昭和20)
1948年連合軍放出コーヒーの払下げが行われ、各地の組合を通じて家庭配給された(昭和23)
1950年8年ぶりにコーヒー豆の輸入が再開される
コーヒー豆の物品税が50%から30%に引き下げられた(年ごとに順次引き下げられていった)(昭和25)
1953年戦後初のブルーマウンテン輸入(昭和28)
1953年全日本珈琲協会設立(全国珈琲協会と珈琲輸入協会が合同、業界統一)(昭和28)
1953年ブラジルで大規模な霜害が起き、国際コーヒー市況が高騰した(昭和28)
1956年インスタントコーヒーに対し輸入外貨が割り当てられ、初めて一般市場に登場した(昭和31)
1960年コーヒー豆の輸入が全面自由化になった(昭和35)
1960年多数の国内メーカーがインスタントコーヒーの製造を開始した(昭和35)
1961年インスタントコーヒーの輸入が全面自由化になった。インスタントコーヒーの激しい販売合戦の幕開日本インスタントコーヒー協会が発足(昭和36)
1963年日本珈琲輸入協会、日本グリーン珈琲協会、全日本珈琲商工業協同組合連合会(昭和40年に全日本コーヒー商工組合連合会と改称)が設立される(昭和38)
1964年日本が国際コーヒー協定に加盟(昭和39)
1965年日本インスタントコーヒー協会を加えて、全日本コーヒー振興協会が設立(翌年、全日本コーヒー協会と改称)(昭和40)
1967年フリーズドライ製法による製品が登場し、インスタントコーヒーは新時代に入る(昭和42)
1968年ICA輸出割当て制度の導入
1969年缶コーヒーが本格的に発売される(昭和44)
1970年コーヒー豆の年間輸入量が恒常的に10万トン台になる(昭和45)
1970年レギュラーコーヒー400g以上の大型缶も輸入自由化へ(昭和45)
1975年ブラジルで大規模な霜害が起き、国際コーヒー市況が高騰(昭和50)
1980年全日本コーヒー商工組合連合会が「日本コーヒー史」を発刊(昭和55)
1981年事業所統計の喫茶店数が15万41千と最高に、以後、減少の一途に(昭和56)
1981年缶コーヒー業界等が組織する日本コーヒー飲料協会が発足(昭和56)
1983年コーヒー豆の年間輸入量が恒常的に20万トン台になり、10月1日をコーヒーの日として新設、キャンペーンが実施された(昭和58)
1989年消費税の施行と同時に、漸くコーヒー豆の物品税が廃止される(平成1)
1989年ICA輸出割当制の停止(1994年輸出割当制の条項削除)
1990年以後ベトナムがコーヒー(ロブスタ)を増産へ
1990年日本家庭用レギュラー・コーヒー工業会が設立された(平成2)
1990年ブラジルコーヒー院(IBC)が解体
1991年全日本コーヒー公正取引協議会が発足し、製品表示等の規程を定める(平成3)
1992年コーヒー豆にも残留農薬基準が定められる(平成4)
1993年豆の年間輸入量が恒常的に30万トン台になる(平成5)
1994年で大規模な霜害が起き、国際コーヒー市況が高騰した(平成6)
1995年コーヒー科学会議(ASIC)を京都で開催(平成7)
1997年コーヒー協会が、コーヒーと健康に関する研究の助成事業を開始
1999年第一回Cup of excellence品質審査に基づく大会が開催
タイトルとURLをコピーしました